建仁寺(京都市東山区大和大路通四条下る小松町)でライトアップと脳科学に基づく「ニューロミュージック」を組み合わせた夜間拝観「ZEN NIGHT WALK KYOTO」が8月2日、始まった。
同寺では現在、法堂天井画「双龍(そうりゅう)図」を描いた小泉淳作の生誕100周年を記念した展覧会を行っている。夜は違った様子を見せようと、イヤホン型の脳波計などの開発を行うVIE(神奈川県鎌倉市)が企画した。
同社の社長今村泰彦さんによると、ニューロミュージックは「脳波の任意の帯域を増強・減衰させるためにデザインされ、聞くことで脳波に影響が出ることが実証された音楽」だという「ニューロミュージック」を同寺の庭や法堂にライトアップや映像と共に流す。
枯山水枯れ山水の庭園「大雄苑(だいおうえん)」ではミストに流れる雲の映像を流すほか、法堂では同寺が所有する俵屋宗達の風神雷神図屏風(びょうぶ)にちなみ、雷鳴や風のごう音の聞こえる楽曲に、現代美術家の脇田玲さんの制作した映像が壁や柱に投影される演出を施した。
本坊中庭の「○△□乃庭」で流す音楽を担当したDJLicaxxx(リカックス)さんは「脳が『ととのう』といわれるとき時に出る脳波のシータ波を含む約10分の曲をループさせている。うろうろしたりじっとしたり、おしゃべりをしたり、環境を感じながら聞いてもらえたら」と呼びかける。
建仁寺の内務部長の浅野俊道さんは「禅は『不立文字』と言い、言葉に頼らず経験で体感して身体に覚えさせる部分がある。座禅の境地で『ととのう』感覚になるという人もいる。ニューロミュージックを通じて、ととのった気分を味わってもらえたら」と話す。
開催時間は19時~21時30分(入場は21時まで)。料金は、大人=2,200円、12歳以下=1,100円。窓口は現金不可。9月22日まで。