京都・祇園の「漢検 漢字博物館・図書館(愛称=漢字ミュージアム・京都市東山区祇園町南側、TEL 075-757-8686)が9月29日、入館者数が50万人を突破し、50万人目の来場者に記念品を進呈した。
同館は2016(平成28)年に弥栄中学校跡に開館。2年後には20万人を突破し年間10万人ペースを保っていたが、コロナ禍の影響で来館者が減少。7年で50万人を達成した。
50万人目となったのは和歌山県かつらぎ町の妙寺小学校から修学旅行で訪れていた児童41人と教職員。教諭が生徒に事情を説明すると、館内放送で呼び出されて緊張していた児童から拍手が湧いたほか「怒られるのかと思った」と安堵(あんど)の声ももれていた。
学校に漢和辞典や漢検の書籍が進呈されると「漢字は苦手や」「ええー」と不満も聞かれたが、児童には鉛筆や難読うちわが進呈されると分かると「ええやん!」とにっこり。「やったー」と歓声が上がった。
南垣内(みなみがいと)智宏校長は「修学旅行で和歌山県外の旅行先に来たのは4年ぶりで、このようなタイミングに訪問になったことに驚いている。漢字が苦手な生徒もいるが、興味深く展示を楽しんでいてよかった」と話していた。
阿辻哲次館長は「研究を深め、展示は子どもから大人まで、幅広い世代が楽しめるという社会的ニーズにも応えられるような施設として、後の人も豊かな漢字の文化を享受できるよう努力し続けなければいけない」と意気込みを語った。