京都のNPO団体「グローカル人材開発センター」が7月7日、QUESTION(京都市中京区河原町通御池下る下丸屋町)で、設立10周年記念イベントを行った。
同団体は地元の企業や行政などと連携し、高校生や大学生らに対して教育プログラムや研修等を提供。代表の行元沙弥さんがあいさつで、立ち上げの動機を「私自身がもっと社会にドキドキしたかった」と振り返った。
これまでにプログラムに参加した学生らが登壇し「高校生や大学生は大人と話すことも限られるが、プログラムを通じて実際に働いているビジョンを探していけたと思う」と話したほか、シリアでNPO活動を行う元学生が「プログラムを通じて自分の可能性を広げられた」とビデオメッセージを寄せた。
次に、行元さん、京都精華大学学長のウスビ・サコさん、起業家を支援する「taliki」代表の中村多伽さんがパネルディスカッションを行った。
ウスビ・サコさんは「日本の教育はまるでフレームに合わせて人を作る『工場』のようだと例え、コロナを経て「キャンパスはいるのか?」と疑問に思うようになったと話す。「本当は教育は『畑』。色んな苗が出てきてみんな違う。教室で学べる知識はあまりない。情報を知識にするのは教室の外にある。ゲリラ的にやっていくのがいいと思っている」と持論を展開。
中村さんは立場が偉かったり、年齢が上の『大人』側が「『私たちは答えがある。こうやって答えを見つけたら賢い』と教えてきたが、現代は答えのない問いが増えていて、いかに問いかけられるか、好奇心を育てるかが重要」と従来型の教育との違いを指摘した。
行元さんも「偉い人の成功体験よりも失敗談の方が面白い。弱みを見せるとその人も楽になる」と応じ、サコさんも「立場上、先生は『わからない』と言えないけれど、できないから助けてもらえる。失敗談を語ることは格好いいことだし自分自身に向き合うことで、人との絆を紡いでいくことになる」と賛同した。
パネルディスカッションの後には高校生や学生、社会人ら来場者を交えたトークセッションが行われた。