京都女子大学の学生が6月24日、重要文化財「杉本家住宅」(京都市下京区)のすす払いを行った。
杉本家住宅は築152年の京町家。市内の町家として最大級の大きで、町家の暮らしを維持しており、昨年から大修理を進めている。
同大学は10年以上前から祇園祭前のすす払いに参加。今年は独自開発の繊維を使った掃除用品を製造する「サンコー」(和歌山県海南市)、凸版印刷が参加した。現在、両社は同大学と町家にも使える商品開発の産学連携プロジェクトを進めている。
この日の午前中に参加したのは同大学「生活デザイン研究所」の出井豊二さんと11人の学生。サンコーの担当者が掃除道具の種類や特徴を説明をした後、奈良屋記念杉本家保存会の事務局長の杉本節子さんがから「(柿渋やベンガラなど部材を保護するために使われる)「古色」と汚れは別なので、木目に沿って『手当て』をしてほしい」と手本を見せた。
学生は同大のキャンパスとして活用する米蔵の中のほこりを落としたり、母屋の障子やふすまを片付けたり、蔵からびょうぶや掛け軸を出したほか、竹すだれを洗った。
同大学2回生の高山留歌さん、赤田遙菜さんは、昨年のすす払いでも米蔵キャンパスの掃除に参加。昨年ははたきや雑巾を使ったが、今年は柄が伸ばせる道具やヘラ状の掃除グッズを使って、電球の笠や扉の格子の隙間にたまった汚れやほこりを落とした。
高山さんは「昨年去年は難しかった高い場所の掃除が、今年はやりやすかったし、汚れも落とせた」。赤田さんは「杉本家の方が細かなところに気を遣って気をつかって大事にしていることを知ることができた」と、それぞれ話す。
杉本家住宅は祇園祭の宵山期間の7月15日に一般公開する。