二条城「黒書院 二の間」(京都市中京区堀川西入二条城町)の特別入室が1月4日、始まる。
黒書院は徳川家と親しい家臣や高位の公家が謁見を行った場所。通常は廊下から見るのみだが、二の間に入室し、将軍が座した一の間の障壁画(模写)や対の鳳凰をモチーフにした天井画(原画)を見ることができる。
大政奉還の舞台となったことで知られる「大広間」(将軍との正式な対面所)のふすま絵は巨木を配し、権威付けをしているのに対して、黒書院のふすま絵は、桜の花が咲いて散るまでの様子が描かれ、穏やかな雰囲気があるのが特徴。
展示収蔵館では一の間の松竹梅が描かれた障壁画の原画を展示する。学芸員の降矢淳子さんによると、現在、日本では松竹梅はおめでたいことの象徴とされているが、障壁画の松竹梅は、冬の寒さに耐えるように自らを律するべきという道徳的な意味合いの中国の『歳寒三友(さいかんのさんゆう)』に由来すると説明する。
降矢さんは「廊下からではわかりにくいふすま絵の『盛り上げ胡粉』などの技法や、全て意匠が異なる釘隠しの意匠も見られるので、この機会にじっくりと見てもらいたい」と呼びかけた。
入室時間は8時45分~16時(閉城は17時)。入城料は一般=1,300円、中高生=400円、小学生=300円ほか(展示収蔵館の入館料=100円)。火曜は御殿の観覧は休止。1月30日まで(原画の公開は2月23日まで)。