大丸京都店(京都市下京区)で12月14日、古布を使ったえとの縁起物の販売が始まった。
縁起物は来年の干支(えと)の卯(う)にちなんだウサギで、戦前に製作された絹の着物などの古布を使う。ひょうたんやを背負って飛び跳ねているウサギや内裏びなのように座ったりもち花、梅の花などを持ったウサギなど7種類。
作者の岡部至芸光(しげこ)さんは、京都の五花街の一つ、宮川町で育ち、芸子や舞妓(まいこ)さん、行きかう人の着物の色や柄は意識しないうちに見てきたという。人形の製造会社に勤務しつつ、人形作家の松本勝子さんに技法を学んだ。現在は古布を使った作品を手がける。
岡部さんは「古布には時間を経て、なじんだような温かみが魅力。京都は寺社の市やフリーマーケットも多く、質のいい古布が入手しやすい。モダンに見える色柄を選んでいるので、マンションの玄関やチェストの上に一輪挿しなどと一緒に飾っても違和感がないと思う。お盆などに乗せて楽しんでもらえたら」と話す。
12月27日まで。