
京都女子大学の学生が11月14日、重要文化財「杉本家住宅」(京都市下京区)のすす払いを行った。
掃除用品を製造する「サンコー」(和歌山市)と同大学が行う商品開発産学連携プロジェクトの一環。学生からが町家向けの商品を提案したことから、実際に町家で既成の商品を使って改良点を考えるための「掃除体験」として行った。
「杉本家住宅」は築152年の京町家。市内の町家で最大級規模の大きさを誇る。町家の暮らしを維持しながら現在、瓦約1万5,000枚の葺(ふ)き替えを含む大修理を進めている。同大学は毎年祇園祭の前にすす払いに参加している縁もあって今回の体験会が実現した。
杉本家同住宅の杉本節子さん、歌子さんから「古色と汚れはまた別もの。木目に逆らって傷つけないように方向に気をつけて」「手を当てることで建物の傷みが分かる。文字通り『手当て』してあげて」とレクチャーを受けた後、格子戸や「犬矢来(いぬやらい)」、「駒寄せ(こまよせ)」など外のほこりを落としたり、おくどさん(かまど)をきれいにしたり、座敷の障子や畳を掃除した。
同大学2回生の浦井陽向さんは、今年6月のすす払いにも参加。その時ははたきをかけて雑巾で拭いたという。「はたきの使い方は難しかったが今日の道具は使いやすかった」と話す。川口桃佳さんも「雑巾を絞ったり、バケツの水がすぐ汚れたりることがなくて便利」と話していた。
学生からは「エプロンにポケットが欲しい」「柄が持ちやすいものがいい」「灰色は汚れが付いても達成感が感じにくいので別の色がいい」といったなどの感想が寄せられた。今後は学生の声を反映した商品開発の可能性を探っていくという。