「来ぬか薬師」の名で親しまれる薬師院(京都市中京区釜座通二条上ル)で10月8日、通常非公開の薬師如来像が公開され法要が営まれた。
本堂に安置された本像は、伝教大師(最澄)が782(延暦元)年に彫ったと伝わる薬師仏七体のうちの一体。7体のうち現存するのは同院と比叡山の2体と伝わる。通常はずしの中で見ることができないが、この日のみ扉を開けて公開している。
当日は法要での祈願を申し込んだり、当日限定の特別な御朱印を求めたりして約300人が来院。野菜やコーヒーの販売、仏具店などのブースも出てにぎわいを見せていた。法要後には、一般の人も本堂に上がり本尊前で参拝した。
大阪から来た女性は「5年前から公開に合わせてこの日にお参りに来ているが、昨年までコロナでお堂に上がれなかったのが残念だった。今年は上がれるのがうれしい」と話して
いた。
今年6月に父親の跡を継いで住職となった吉野弘倫さんは「『寺離れ』がいわれる今、いろんな人にお参りしてもらい当院のご本尊を守っていけるように、町内の皆さんと一緒になって取り組んでいきたい」と話す。