京都伝統産業ミュージアム(京都市左京区岡崎成勝寺町)で4月23日、特別企画展「MILESTONES―余白の図案」が始まる。
西陣織の織元「細尾」(京都市上京区)に残る素描の図案を現代的な解釈をして挑戦する同展。京都芸術大学との連携プロジェクトの成果発表の場でもある。
大きく3つのセクションに分けて展示する。1つ目は、細尾に残る西陣織の帯の図案の原本の展示だ。「植物」「曼荼羅(まんだら)や家紋」「風景」など内容によって分類する。「細尾」社長で同展のディレクターの細尾真孝さんは「残っているのは着色前の素描で、着色したものは時代の色が出るという理由からの破棄をしてきた」と話す。
2つ目は、約2万点の図案をデジタル化し、アーカイブ化した一群のデータと、そのデータをAIに機械学習させて生成した新たな図案。デジタル空間にそれぞれのデータの相似からマップ化したものを投影するほか、図案を生成していく過程を動画化した。
3つ目には、AIが生成した図案を元に、デザインユニットの「SPRED(スプレッド)」が手がけた新たな図案。無彩色の図案に黄緑や、ピンク、青などの色を着け、さらに大胆なドットで構成されるデザインに仕上げた。新たな図案は、展示スペースの床一面に敷き詰め、空間を演出する。
開催時間は9時~17時(最終入館は16時30分)。料金チケットは、一般=800円、前売り・学生ほか各種割引=500円。7月18日まで。