元離宮二条城の「香雲亭」(京都市中京区堀川西入二条城町)で来年1月から提供される「特別昼食」予約受け付けが12月1日、始まった。
香雲亭は高瀬川の開削事業で知られる角倉了以の邸宅を河原町二条から移築した建物。建物から見える庭石の一部も1965(昭和40)年に寄贈されたものの一つだという。
提供する特別昼食は「京料理いそべ」(京都市東山区)が調製する「早春の二の丸御膳」。3重の膳に一品料理として「鰻(うなぎ)の木屋町焼きみぞれ仕立て」を付ける。同店の料理長が江戸時代後期の文献「海鰻百珍(はむひゃくちん)」に登場するハモ料理「木屋町焼き」をアレンジした。
同店部長の原佳伸さんによると「木屋町焼き」は2枚のハモの身を内側にして合わせて焼いた料理。身が皮と皮の間にある様子を鴨川と高瀬川の間で川と川に挟まれている木屋町通になぞらえたとされる。この時期にハモが手に入らないことから代わりにウナギを使う。聖護院大根や金時人参、うぐいす菜などの京野菜を添え、みぞれ仕立てにした。
元離宮二条城事務所長の志渡澤祥宏さんは「修学旅行生を中心に入城者がようやく戻ってきた。この期間は二の丸御殿の来年の干支の寅にちなみ、遠侍一の間の特別入室で『竹林群虎図』の障壁画を見ていただくなど企画も用意している。特別な時間を多くの方に過ごしていただければ」と話す。
開催にあたって定員はコロナ対策として定員を34席から24席に縮小。アクリル板で仕切るほか、CO2モニターを使って換気をチェックするほか「黙食」の呼び掛けも行う。
価格は3,600円(入城料別)。申し込みは同店が電話(TEL 075-551-1203)で受け付ける。