京都信用金庫河原町支店「クエスチョン」(京都市中京区河原町御池下ル)で10月28日、旅行関係者がトレンドを学ぶ会議が行われた。
京都のガイドの手配や旅行プランの提案を行う「北野界わい創生会」の鳥井光広さんが主催した同会議。京都のホテルや旅行業、百貨店、運輸、食品、金融機関といった企業や団体の代表者ら約20人が参加した。
鳥井さんはコロナ明けの修学旅行は京都にとって「特需」ではあるが、喜んでばかりもいられないと強調。長野・岐阜などの自治体が補助金付きのプランを作り、担当者が東京や大阪に出向いてプレゼンし誘致に成功しているという。鳥井さんは「行き先を変えた学校が京都に返ってくるのは難しい」と危機感をにじませる。
併せて、従来の物見遊山と土産物店が中心の京都旅行から、今後は「探求型課題解決」中心にニーズがシフトしていくと示唆。鳥井さんの北野界わい創生会でも、パンフレットを新たにして提供できるコンテンツを整理。売り上げを伸ばしたという。
「京都ならではものづくりや伝統工芸、老舗、産業、最近は人権学習や環境問題、SDGsの取り組みを学びたいという要望もある。従来、京都側から積極的に提案できていなかった部分だ」と最近のトレンドを紹介した。
参加者からの「一度に100人規模を受け入れるのは難しい。分散して来てもらうことはできるか」「学年のうち数人だけ受け入れることも可能か」という問いに鳥井さんは「施設で可能な受け入れ人数に応じて対応したい」「その予算で受け入れ側が問題なければ5人程度でも可能だ」とそれぞれ答えた。
今後、鳥井さんが参加企業や団体のコンテンツを把握して、学校や旅行会社のニーズに応えていく協力体制を作ることで合意。まずは、各団体のコンテンツの情報を鳥井さんに集約していくことが決まった。
鳥井さんは「1つのコンテンツでは太刀打ちできない時代となっている。皆さんの力を借りつつ、京都旅行の新しいニーズを学んだり、取り組みを共有できるプラットフォームを作っていきたい」と締めくくった。