NPO法人ドットジェイピーGN関西支部は6月14日、「コロナで大学費を減額すべきか」をテーマにオンラインでディベートを行った。
新型コロナウイルス感染症の影響で多くの大学がオンライン授業を採用。この対応に対して学生から学費の減額を求める声が出ていることを受けて同団体が議論を深めようと企画した。この日は同支部のスタッフ学生が8対8に別れてそれぞれの主張を展開した。
最初に「減額すべき」という立場からは、大学の施設が利用されず経費が抑えられている点をはじめ、学生がPCやWi-Fi環境を整えたり、通信料の負担が大きい一方で、課題しか出さないような質の低い授業があることや、理系の場合は教授のみが実験をするような授業が行われることもあり、減額は必要と主張。
一方「減額すべきでない」という立場からは、実際の大学の対応を例に、大学が学生に給付金やPCやWi-Fiルーター等の貸与などを行っていること、学費の多くが施設整備費に充てられていることから、減額によって今後の学ぶ環境が確保されなくなるという懸念について指摘した。
ディベートの結果は互いに納得するような反論がなかったとして、いずれも主張を変えず勝敗がつかなかった。しかし、両陣営ともオンライン授業であっても授業の質は確保されるべきだという意見で一致を見た。
最後に、双方で妥協点を探る議論が交わされた。議論の中では「オンライン授業も知らない人とディスカッションをする機会があったり、質問が対面授業よりしやすかったりした」、「教授もオンライン授業のためにいつも以上に準備時間をかけている」といった発見を共有した。
こうした議論を通じて教授に大学側から動画編集の支援をしたり、経済的に困窮した学生に撮影を手伝わせてアルバイトできるようにしたりするなど、前向きな考え方ができるのではないかという案も出され、双方が積極的に協力していくべきというまとめが作られた。