昨年、祇園祭の「芦刈山」で販売されたアシの箸が、7月1日から一般販売が始まった。
植物のアシと「悪(あ)し」に掛けた和歌が出てくる謡曲の「芦刈」にちなんだ「芦刈山」。芦刈山では、伝統的な屋根材などに使われるヨシ(=アシ)の保全活動を行う「宇治川のヨシを守るネットワーク」の活動に賛同し、伏見のヨシ刈りで出たヨシを活用した箸を4年前から販売している。
昨年は、京都女子大学の福場由芽子さんが考えた祇園祭の「ちまき」をモチーフにしたパッケージを採用して芦刈山で販売したところ、およそ100本が2時間ほどで完売した。今年は、京都経済センター内の「大垣書店京都本店」(下京区)や「蔦屋書店」、「祇園祭ぎゃらりぃ」(以上東山区)、「楽紙舘」(中京区)など7店で取り扱いが始まった。今年もちまきのデザインを踏襲しているほか、「令和」の文字が入る。
箸の製造元であるワイエス商事の中野彰三さんは「近年はプラスチックごみの問題が話題だが、この箸は廃棄するときも焼却できる。伝統的な部材でもあったアシに注目してもらえたら」と話す。
価格は800円ほどを予定する。