京都の産業用センサーメーカー「オプテックスエフエー」(京都市中京区中堂寺町)が1月25日、ものづくりの現場の「現場川柳」の入賞作品を発表した。受賞作品は、元エンジニアで漫画家の見ル野栄司(みるのえいじ)さんがイラスト化し、同社特設ページで公開している。
大賞には「5か国語 タダで学べる 我が現場」が選ばれた。昨年の経済産業省調査で、海外労働者は全体の約30%が製造業に就いているなど外国人労働者の受け入れが進む現場をポジティブに描いた作風が評価された。同社販売促進室の大毛沙紀さんは「技能実習生の増加や、在留資格の制度改正、東京オリンピックを控えた年でタイムリーな作品だったのでは」と話す。
同様に国際化する現場を詠んだ「一番に 覚えた日本語 さじ加減」は、入賞に選ばれた。日本に働きにきた海外の人が具体的な数値ではなく曖昧な「さじ加減」という表現を最初に覚えてしまったというユーモラスな句だ。
見ル野賞には「帰らない 上司のあの目は 飲みサイン」が選ばれた。仕事を終えても帰らずに視線で飲みに誘いたげな上司を描いた同句は、昨年人気が出たドラマ「おっさんずラブ」にちなみ選んだという。大毛さんは「現場に限らず、上司・部下、外国人など職場のコミュニケーションをテーマにした作品も多かった」と振り返る。
2月20日は東京国際フォーラム(東京都葛飾区)で行われる「町工場見本市」で見ル野さんと作品を選んだ同社スタッフが参加する「現場川柳発表トークイベント」を開催する。
大毛さんは「現場川柳も5回目の発表を迎え、1万2000通以上もの応募をいただけるようになった。回を重ねると、過去の作品を見て『あのころはこんな現場もあったね』と懐かしむような日も来るかもしれない」と話す。