耐震補強の大規模工事が行われている南座(京都市東山区四条通大和大路西入る中之町)で9月25日、工事用の足場や囲いが撤去され、南座のシンボル「大提灯(ちょうちん)」などが設置された。
南座は歌舞伎の発祥の地と言われる四條河原に現在も残る劇場で、元和元年(1615~1621年)に官許の証しとして櫓(やぐら)を掲げることが許された。現在の建物は1929(昭和4)年に、地下1階、地上3階建ての鉄筋コンクリート造りで建てられた。
耐震工事では軽量瓦に吹き替えたり、鉄骨や耐震壁を入れたりする耐震補強のほか、客席を取り外して舞台と一体にしたフロアを作り、幅広いエンターテインメントにも対応できるようにした。
開場の日を待つ南座には、櫓に800枚の和紙を使った梵天(ぼんてん)や、顔見世興行ごとに新調される大提灯も設置。新開場までのカウントダウン看板も設置された。
バスを待つ人や旅行者らが足を止め、その姿を写真に収める様子が見られた。
新開場最初の興行は、2カ月間連続で顔見世(みせ)が行われる。11月は松本白鸚さん、幸四郎さん、染五郎さんが親子3代で襲名披露公演として「勧進帳」などを上演する。
新開場は11月1日。