京都国際マンガミュージアム(京都市中京区)で8月5日、「子ども妖怪教室」が行われた。
最初に、妖怪「アリャマタコリャマタ」の姿で登場した荒俣宏館長が時代ごとの妖怪の変化を紹介。平安時代に活躍した安倍晴明などの陰陽師(おんみょうじ)は目には見えない怪異を祈祷(きとう)、つまり言葉によって交渉していたが、武士が台頭する鎌倉・室町時代になると、侍が恐ろしい姿の妖怪を成敗するようになったと指摘。この例として、「土蜘蛛草子(つちぐもぞうし)」に伝わる源頼光(よりみつ)と渡辺綱の土蜘蛛退治を寸劇で紹介した。
その後、井戸につるされた姿のような妖怪「お菊虫」を披露。生きたお菊虫がピクッと動くと会場からは「わっ」と声が上がった。荒俣館長は「お菊虫の正体はジャコウアゲハのサナギ。このように江戸時代には、医師や学者が生き物を観察して妖怪に描き直すことが行われていた」と解説した。
最後に子どもたちが考えた妖怪を描いて披露。中にはスマホの妖怪を描いた子どもも。荒俣館長が選んで発表し、「みんな非常に妖怪感度が高い。妖怪を集めて本にしたい」と満足げに話していた。