京都市立銅駝(どうだ)美術工芸高校で6月21日、地下鉄を魅力的にする企画のプレゼンテーションが行われた。
今年4月から京都市交通局の課題を解決するために行っている同授業。6チームの学生が「子ども向け地下鉄グッズの企画」「ホテルに置けそうな地下鉄PR物」「明治150年地下鉄沿線スタンプラリー企画」をテーマにしたアイデアと制作したパンフレットやノベルティを発表した。
巻物型のパンフレットを考えた2班は「パンフレットを丸めてカバンに入れがちだが、最初から巻いてあれば持ち歩きやすく、着物を着て観光するような海外の人に興味を持ってもらえる」と理由を説明。審査員からは「どのように設置するか考えてほしい」「表側も工夫があれば」といった意見が寄せられた。
子どもが地下鉄が好きになれる工夫を発表した6班は、駅員の帽子や貯金箱にもなる車両のペーパークラフト、駅がコマとなったすごろく、駅名表示をデザインしたマシュマロや地下鉄をデザインしたポシェットなどを提案した。
6班の荒井涼香さん、上田穂(みのり)さん、深谷はるのさん3人は「審査の方がたくさん来られていて緊張した。子どもの隣にいる大人の反応も考えて、というアドバイスなど参考になった。実現したらうれしい」と話す。
デザインの専門家らの講評では「(地下鉄は地上を走るバスに比べ情報が)『見えない』から『不安』につながる、といった分析など背景に対する理解が深く、サービスの利用者について分析もされていた」「大学生と大差ない」との評価や、「発行元が分かるような表示ルールがあれば」といった要望、「なぜこのデザインにしたのか説明することを意識して勉強を続けてほしい」などのアドバイスも寄せられた。
京都市交通局職員は「着想が新しいアイデアばかりだった」「制約もあるが、一つでも多く実現できるよう検討したい」と話す。