バレンタインデーを控え、京都府立植物園(左京区)で現在、カカオの実が例年以上にたくさん実っている。
同園では観覧温室内の「有用作物室」で高さ5メートルほどに成長した3本のカカオを栽培。緑色や、半年ほどかけて熟し、黄色くなった実が幹になっている様子が見られ、来園者にも「カカオってこんな風になるのか」と人気を博している。
同園温室係長の岡垣勝さんによると熱帯気候ではカカオの花は通年咲くが、同園では夏から秋に掛けて花がよく見られるという。「幹に実が付く『幹生果(かんせいか)』は、熱帯の植物の特徴の一つ。小動物に花粉を運んでもらいやすくするためとも、大きな実で枝を折らないためとも言われている」と話す。「たくさん花が咲いても実がなるのは1%程度。小動物のいない園内では、ゴキブリが受粉に一役買っているのでは」と推測する。
岡垣さんは「今年はこれまでに見ないほどたくさん実がなっている。こんな実からチョコレートができるのか、と熱帯の植物に思いをはせてもらえたら」と話す。
開園時間は10時~17時(観覧温室は10時~16時)。入園料は一般=200円、高校生=150円、中学生以下無料。温室観覧料は一般=200円、高校生=150円、中学生以下=無料。