祇園にある「漢検 漢字博物館・図書館」(京都市東山区祇園町南側、TEL 075-757-8686)で現在、企画展「東アジアにおける漢字の歩み」が行われている。
口で話す言語は異なるものの、日本・韓国、ベトナムなどで、古代中国の規範的な文体(漢文)を使うことで通訳を使わずに、意思疎通ができた文化共同体「漢字文化圏」を紹介する同展。
漢字文化圏は中国・南朝「梁」(507年~557年)から第二次世界大戦終結時(1945年)ごろまで続いたと言われる。展示では日本、中国、韓国、ベトナムの4カ国の漢字と国語の歴史を年表にまとめ、横断的にみられるように工夫した。
韓国の教育現場では一部の漢字を文化の継承のために教えていることや、中国で繁体字の復活が議論されているといった現代漢字のトピックスも紹介する。
簡体字と繁体字、日本の漢字を組み合わせるパズルや、台湾のジュース屋台をイメージした体験型展示も行う。「奇異果汁」と書かれたレバーを引くと「キウイジュース」の文字が出てくる仕掛けで、訪れた子どもたちの人気を集めている。
同館広報担当の岩崎恭子さんは「現在の東アジアは緊張関係にあるが、古くから漢字を通じて理解をすることで一つの文化圏を作ってきた関係にあることを知ってもらえたら」と話す。
開催時間は9時30分~17時。入館料は大人=800円、大学・高校生=500円、小中学生=300円ほか。11月19日まで。