四条大宮と嵐山や北野白梅町を結ぶ「嵐電」の車両に京都精華大学の学生がデザインした広告の準備が8月28日、行われた。
デザインを担当したのは同大デザイン学部ビジュアルデザイン学科で学ぶ3回生の11人。広告のデザインやコピーライトを学ぶ選択授業の一環で、実際に学生が嵐電に乗り、それぞれが感じた嵐電の魅力を表現。同社の担当者や教員も加わった投票で、上位6人の作品が中づり広告に採用された。四条大宮や西院駅など11の駅にポスターも掲示する。
この日は、嵐電西院車庫で「レトロ電車」1台にヘッドマークや額面広告(窓の上の壁面にある広告)、中づり広告などを掲出。作品は嵐電の揺れに着目した「らんでん体操」や嵐山から四条大宮まで24分掛かることが分かるデザインに「終点までに言わなきゃならないことがある」という言葉を添えた作品などが並ぶ。
同大教授の志萱晃一さんは「今年はインドネシアや台湾、メキシコの学生が参加していることもあり、さまざまな切り口の作品が集まった。授業と違ってクライアントがあるので、学生たちは責任を持って取り組めたのでは」と話す。
インドネシア出身のカレニナ・オブリさんは「街を歩くように」というキャッチコピーと使い、嵐電から見える景色や車内の様子をデザイン化。得意とする赤や青、黄色などの原色を中心に使った。嵐山駅に到着する寸前の景色を使ったデザインはヘッドマークにも採用された。「嵐電は住宅のそばを走り、日常に近いのが一番の魅力」と話していた。
運行は8月29日から9月18日まで。