祇園祭・後祭の山鉾(やまぼこ)の一つ鈴鹿山(すずかやま)で7月23日、子どもたちの歌声が響いた。
祇園祭の童歌(わらべうた)は、ほとんど同じ節回しだが、山鉾のご利益(りやく)や、扱う品によって歌詞は異なる。
鈴鹿山は後祭の山鉾の中で一番北側に位置する山で、鈴鹿山の悪鬼を退治した鈴鹿権現(瀬織津姫尊)を金の烏帽子(えぼし)をかぶり手に大なぎなたを持つ女人の姿で表す。真松には、鳥居・松・木立と宝珠を描いた絵馬が掛けられていることでも知られる。
巡行を明日に控えた宵山には18時ごろから浴衣姿の御所南小学校の女児らが集合。「雷(らい)よけ安産(あんさん)のお守りはこれより出ます。常は出ません今晩限り」と鈴鹿山の童歌を歌い始めると「かわいいね」と訪れた人が次々に足を止めて聞き入っていた。
「ご信心の御方様(おんかたさま)は受けてお帰りなされましょう」という節に続けて「絵馬付きちまきどうですか」「鈴鹿山限定の手ぬぐいどうですか」と一連の言い回しを終えると拍手も。時折、品物を言い間違えて顔を覆うかわいらしい姿も見せていた。