真宗大谷派東本願寺(京都市下京区烏丸通七条上る常葉町)の南東側の堀のハス「淀姫」が見頃を迎えている。
東本願寺の堀は江戸期の4度の焼失が契機となり、明治期に設けられた防火用水。高低差を利用した同寺独自の「本願寺水道」で送水されており、1950(昭和25)年11月18日に発生した2代目の京都駅の火災では、消防ホースを引き込んで消火用水を調達した記録が残る。現在は水道管の老朽化に伴い送水を停止し、貯水している。
京都の街を延焼から守った逸話を持つ堀の水面は現在、鮮やかなハスの葉で覆われ、葉の間からは濃いピンク色の花やつぼみ、蜂の巣のような花托(かたく)が顔をのぞかせ、花の姿をカメラに収めようと奮闘する観光客やカメラマンでにぎわいを見せている。
同寺によると、ハスの花の見頃は7月中旬~末ごろ。花の姿は8月上旬まで楽しめるという。