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京都で「おぼうさんぽ」 僧侶が留学生に門前町を案内

仏具店の前で案内をする一念寺住職の谷治雲暁さん

仏具店の前で案内をする一念寺住職の谷治雲暁さん

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 西本願寺の門前町で6月28日、僧侶が街を案内する「おぼうさんぽ OBO-SANPO」のテストツアーが行われた。主催は主催は一念寺(京都市下京区)の住職、谷治暁雲さんを中心とした有志の僧侶。企画協力は浄土真宗本願寺派のウェブサイト「他力本願.net」。

文香づくりの様子

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 同団体では、門前町を日本の伝統や心を伝える町として「こころまち」と呼び、街のにぎわい作りの一環として僧侶が街を案内するツアーを企画。海外からの旅行客を想定して、龍谷大学で日本の文化や歴史を学ぶ留学生10人を対象に、一念寺住職の谷治暁雲さんや、他力本願.netメンバーの僧侶がツアー街歩きやワークショップを行った。

 龍谷ミュージアムを出発した一行は、仏具店「まるさん」(京都市下京区)社長の三浦勝治さんから仏壇の作り方や漆や刷毛(はけ)の説明を受けた。三浦さんは「仏壇は祈るだけでなく、感謝を伝えるもの」と学生らに説明。次に、建築家、伊東忠太が手掛けた1912(明治45)年完成の西本願寺伝導院」は、日本最初の保険会社の社屋としてとして使われたことなどを紹介した。

 移動の合間に、法衣店のショーウインドーで袈裟(けさ)を見かけると、谷治さんは、「首に掛けている輪袈裟(わげさ)は略式のもので、薄い生地を折りたたんでいる」と開いて見せるなどした。

 一念寺本堂では、他力本願.netを運営する若手僧侶、瓜生智子さんによる「文香づくりワークショップ」を行った。「丁字(ちょうじ)」「乳香」「白檀(びゃくだん)」など8種類の香木を使ってオリジナルの香を作り、六角形に折り込んだ紙に入れて完成させた。瓜生さんと通訳を担当した「悠ツアー」の森聖太さんは「紙の折り方を英語で伝えるのが思った以上に難しかった」と話す。

 終了後、参加した留学生同士で意見交換会が開かれ「1人では入れない仏具店や寺の中に入る経験ができたのがうれしい」「腕輪念珠や文香など持って帰るものがあるのがいい」などの意見が出された。

 タイ出身の学生からは「タイと日本の仏教に違う部分がたくさんあることに驚いた」といった感想も寄せられた。このほか、「地図がほしい」「年配の人は床に座るのは苦手かもしれない」といった改善点や要望も上がった。

 日本で仏教や文化、歴史を学んでいるイギリス出身のジョシュア・シンプソンさんは「参加できて楽しかった。僧侶に案内してもらったので、宗教のことや仏壇も作り方や材料のことだけでなく宗教的な意味についてもっと知りたいと思えた」と話していた。

 「門前町に宿泊施設も増えてきており、宿泊者が手軽に利用できるツアーを提供していきたい。ツアーは門前町の商店主も非常に前向きで、街づくりにつなげていきたい」と谷治さん。

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