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京都の大地震から歴史をひもとく街歩き 売り上げは熊本へ寄付

豊国神社の唐門について説明する吉村さん

豊国神社の唐門について説明する吉村さん

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 京都市内で5月21日、街歩きツアー「京都を襲った過去の大地震を知る」が行われた。

方広寺の大仏殿の柱の跡を模したオブジェ

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 ガイドは気象予報士で京都検定1級を持つ吉村晋弥さん。大分と熊本に足を運び、観光地を見てきたという吉村さんは「阿蘇の施設では、ゴールデンウィーク期間は2万人ものキャンセルがあったと聞いた。観光に携わる者として支援したい」と防災をテーマにしたツアーを企画した。今回の売り上げの全額は熊本地震の支援として寄付する。

 吉村さんは、平安時代から日記などに残された地震の年表を用意。「『京都には大きな地震がない』と力説する人もいるが、それは間違い。1830年の京都大地震以降、市街地に大きな被害を出した地震が起きておらず、当時を知る世代もいないため被害が伝わっていないだけのこと」と強調した。

 ツアーでは豊臣秀吉ゆかりの方広寺を参拝。43年前に焼失した「京都の大仏」や、「国家安康」「君臣豊楽」の句が刻まれた梵鐘(ぼんしょう)でも知られている。「伏見城(指月城)で天守が崩壊した1596年の慶長伏見地震で、方広寺の完成直前だった大仏も破損。秀吉は『自分の身も守れないのか』と激怒して仏像に矢を放ったという逸話も残っている」と吉村さん。

 秀吉がまつられた豊国神社は、江戸時代の寛文近江若狭地震(1662年)で「豊国神社の周りは揺れなかった」というデマが広がり、御利益にあやかろうとした人が参拝禁止の境内に入り込んで草や木を持ち帰り、玄関に挿したという。さらに、役人がそれを見て取り締まっているといううわさで混乱した逸話を仮名草紙の「かなめいし」の絵と共に紹介した。

 同地震では、八坂神社の石鳥居や石灯籠が倒壊するなど大きな被害が出た。吉村さんは「石灯籠や塀は崩れやすいので揺れを感じたら離れてほしい。京都ではかつて余震が10カ月続いたという地震の記録も残っている。普段から備えは怠らないでほしい」と話す。

 「京都は火災も怖いのでは」と吉村さんに質問していた参加者の水尾隆之さんは「地震を切り口に京都の歴史を知ることができて楽しめた。吉村さんの話もとても分かりやすかった」と話す。

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