仏光寺東洞院にある洛央小学校(京都市下京区仏光寺通東洞院東入仏光寺西町)で6月27日、祇園祭の巡行の好天を祈って行われる「日和神楽」を迎える「お迎えちょうちん」作りが行われた。
日和神楽は祇園祭の山鉾巡行の前夜に行われる好天を祈る神事。各山鉾の関係者が山車を伴い囃子(はやし)を奉納する。この神事の通り道の家々は「お迎えちょうちん」をともして歓迎した。
松原通周辺の7つの旧学区の有志で作る松原通界わい活性化プロジェクト委員会では、1956(昭和31)年から松原通を通らない現行の巡行ルートの見直しを求めている。山鉾そのものが巡行するわけではない日和神楽で松原通を通ってもらうよう近隣の山鉾町に依頼。少しずつその数を増やし、2014年には綾傘鉾が正式に因幡薬師(下京区因幡堂町)で棒振り神事を奉納するなど活動の成果が実を結んでいる。
同委員会は、こうした活動を紹介するだけでなく同校の4年生児童と松原通を歩き、松原寺町の北西の角が斜めにすることで山鉾の辻回し(方向転換)がしやすいようになっているなど、現代にも残る巡行ルートの痕跡をたどる街歩きを実施。児童に街や祭りの歴史を伝えている。
この日は、廣野貴夫下京区長も会場に駆け付けた。「後祭りの復活も、堀川に水が流れるようになったのも、その町に住む人たちの長年の夢がかなったもの。願い続けることで、松原通にかつての姿が取り戻せるはず。未来の祇園祭を作っていくのは君たち。頑張ってほしい」と児童を激励した。
江戸時代から続く大工の阪上彰三郎さんが手掛けた国産ヒノキ材を使った組み子式の枠のあんどんに、山や鉾、巡行の様子やちまきなど、祇園祭の様子を描いた和紙を貼り付けた。
同プロジェクト委員長の山田正太郎さんは「子どもたちの鉾や山の絵が、本当に細かな所までよく見て描かれていて驚いた。明かりを入れて並ぶのが楽しみ」と期待を込める。