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京都・鴨川に供養の積み石? 河原に通う作者を直撃

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 東寺道付近の鴨川の河原で見掛ける積み石の作者に11月11日、話を聞いた。

この日の自信作の一つ

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 鴨川の「積み石」は見かける人も多いようで、「Yahoo!知恵袋」などでは「供養のためかもしれない」との回答が寄せられている。

 「積み石」作者の男性はもともと石の表情からで雄大な景色を感じ取る「盆石」「水石」が趣味という。定年退職後のある日、何気なく河原の石を積んでみた所、高く積み上がり面白さを感じて石を重ねに河原に通うようになり、既に3年以上になるという。

 当初は石を多く積むことに挑戦していたが、後に重心を取りながら「石を立てる」ようになった。男性は「平らな面ばかりを重ねても面白くない。先の細い石でもくぼみを見つけてやればちゃんと立つ。『踊っている』『仏さんのよう』と、人によって違った印象に見えるのも面白い。賽(さい)の河原ではなくて『立石アーティスト』かな」と話す。

 調子がいいと1日に15基ほど立てられるという。積まれた石は見た目以上にしっかりとしており、2日ほど崩れないこともある。今年は正月に積もった雪と石のコントラストで、積み上がった石は側を走る奈良線からもよく見えていた。

 冷え込みがきつく、今日でやめようと思っていた日に、「次はいつくるの?」と女性に声を掛けられた。「今日で最後」と答えたら、「楽しみにしているのに」と言われて続けることを決めた。今でも河川敷を散歩する人やランナーから声を掛けられるという。帰国するまで何度も撮影に通ったフランス人ファンもできた。「ようやく会えた」と、ランナーに2ショットを頼まれていたことも。男性は知らない人と芸術談義ができるのも楽しみの一つだという。

 「どう見られたいとか、あれこれ考えながらやってもだめ。時間を掛けてもロクに立たない。自然に身を任せるような気持ち(が大事)」と極意を語る。「イスに座って石を立て始めたらあっと言う間に時間が過ぎている。今年の冬も何もなければ通うつもり。やってみると面白いよ」と笑顔を見せる。

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