有斐斎弘道館(京都市上京区上長者町通新町東入元土御門町)と京都高島屋(下京区四条通河原町西入真町)の2会場で10月21日~11月7日、「手のひらの自然―京菓子と琳派」展2015が開催されている。
同展は、「琳派が描く自然」をテーマに京菓子のデザインを、年齢やプロ、アマチュア問わず一般公募し、入選作品紹介する展覧会。今年度は、学校やSNSを通じて公募を呼びかけたことで、応募者344人と応募総数376作品と昨年比で3倍となった。特に、学校を通じた10代の応募が急増し、全国24校から団体応募された。
デザイン画を応募し菓子職人が京菓子に仕上げたデザイン部門18作品、京菓子を実作し写真を募集した実作部門24作品が入選した。審査のポイントは、琳派をどのように捉え、京菓子の特性をどのように生かしたか、作品の銘(めい)など。尾形光琳の「紅白梅図屏風」や俵屋宗達が描いたと伝わる「白象図(養源院蔵)」などの琳派作品を参考に、応募者それぞれの考える「琳派」を京菓子のデザインにした作品のほか、「参考特に無し」とした作品もあり、師弟関係がなく自由な発想で発展した琳派らしい32作品が入選した。
京都高島屋6階美術画廊では、入選16作品と京都を中心に活躍する陶芸家14名の作品に乗せて展示。入選作品に合わせて作られた器ではなく、作家の作品と京菓子を見て、審査委員会でマッチングさせた。展示されている陶芸作品は全て販売でき、会期終了後、購入者に届けられる。同会場には、高島屋資料館所蔵の富田渓仙作「風神雷神」も展示する。
弘道館会場では、入選25作品を展示。同会場では、作品を木製の菓子皿に載せて展示。同会場では入選作品から選ばれた京菓子一点と抹茶を1,000円で提供し、京菓子の見た目と味の両方を楽しめるほか、13時30分~15時30分の間は、京菓子職人が作品を説明する。同展プロジェクトリーダーの柴橋美穂さんは「高島屋会場では、入選作品と器がそれぞれを引き立てあう魅力、弘道館では空間と京菓子、実際に食べて体感してほしい」と話す。
弘道館会場は今月25~11月7日。開館時間は10~17時。入館料は500円、京菓子と抹茶のセットは別途1,000円。高島屋会場は6階美術画廊。期間は今月21~27日。開場時間は10~20時(最終日は16時まで)。入場無料。