北野天満宮大鳥居横に、ポルトガル菓子専門店「カステラドパウロ」(京都市上京区御前通今小路上馬喰町、TEL 075-748-0505)が2015年4月にオープンした。
オーナーパティシエのパウロ・ドゥアルテさんは、長崎の老舗松翁軒で外国人として初めてカステラを修業。ポルトガルに帰国後、1996年に首都リスボンで同店をオープンし、母国で日本のカステラを販売していた。日本でカステラを販売したいという思いから、2014年にリスボン店を閉店し、妻の智子さんの故郷である京都にポルトガル菓子専門店を開くこととなった。リスボン店閉店の際は、近隣の住民に惜しまれ、閉店に苦情が出るほどだったという。
ポルトガル菓子は素朴な味と卵黄をたっぷり使うことが特徴。看板商品の「パウロのカステラ」(一箱=810円)は、弾力のある食感、卵のコクとうまみが感じられる、昔ながらのカステラ。日本のカステラの原型となったと言われるポルトガルの伝統菓子「パォンデロー」も販売。製法や形状、焼き上がりが地方によって異なる。同店では、大きな素焼きの陶器で焼いた日本のカステラに近いミーニョ地方(1,944円)、小さめの器で半熟に焼き上げたベイラリトラル地方(399円)、短時間でふんわり半熟に焼き上げたエストレマドゥーラ・リバテージョ地方(486円)の3種類を販売。そのほか、卵黄クリームパイ「パステル デ ナタ」(270円)などのさまざまなポルトガル菓子を販売する。
もともと造り酒屋の蔵だったという店内(1階27坪、2階15坪)は、リスボン店から持ち帰った家具や装飾でポルトガルの面影を残す、温かみのある内装。1階8席、2階8席のカフェスペースでは、カステラと3種のパォンデローを盛り合わせた「食文化比較体験セット」(1,080円ドリンク付き)を提供。このメニューは「ポルトガルの食文化や背景、日本とのつながりをお菓子で伝えたい」という智子さんの思いから生まれたリスボン時代からの定番メニュー。小麦粉・卵黄・砂糖という同じ材料にもかかわらず、混ぜ方・焼き方で異なる食感と味わいの4品が楽しめる。14時からはチキンパイや干しダラのコロッケとポルトガル産ワインをセットにしたメニュー(500円~)も提供する。
営業時間は9時30分~18時(喫茶は17時まで)。水曜、第3木曜定休(水曜が25日・祝日の場合は翌日休業)。2階スペースでは蚤(のみ)の市などのイベントも開催。告知・詳細は同店Facebookにて。