仏光寺公園(下京区木屋町松原上ル和泉屋町)前の高瀬川に設けられた川床「ききみずガーデン」で8月23日、島原の菊川太夫が太夫道中を披露した。主催は大学教授やアーティストが高瀬川保勝会や、商店主の協力で作る「高瀬川ききみずガーデン」と「下木屋町聴き見る会」。
高瀬川と下木屋町の魅力を発信する同会。今年6月には「高瀬川ききみる新聞」を発行し、年に4回のペースで継続していく。新聞では高瀬川の歴史を紹介。高瀬川は木材などの輸送のために開かれたため、陸路が整備された後は3度も埋め立て話が持ち上がったエピソードや、桜を植えて憩いの場を作ってきた経緯を紹介する。「高瀬川が現在の姿であるのは、こうした努力があってこそ。世代や住民が変わり、そうした話が埋もれてしまわないように伝えていきたい」とインタビューを担当した佛教大学の堀江典子さんは強調する。
「ききみずガーデン」は、眺めるだけでなく高瀬川で遊んでほしいと企画。北山杉を使い、小さな川床と渡り橋を設けた。川床では座って水に足をつけることができるほか、公募で選ばれた茶会や浴衣姿の撮影会、氷柱アートの展示などの企画を日替わりで行う。
23日は島原の菊川太夫が「ききみずガーデン」に招かれた。笄(こうがい)やかんざしなどの髪飾りや、扇子と花が描かれた豪華な打ち掛けをまとった太夫が登場すると一斉に写真撮影が行われた。その後、20センチもの高さのある三本歯の高げたを履き、内八文字と呼ばれる独特の歩き方で太夫道中を披露した。
「舞台の上は涼しい風が流れて気持ち良かった。高瀬川の景色は桜の時期が美しくて好き」と菊川太夫。禿(かむろ)として参加した加悦琴子ちゃんと神馬美月ちゃん(7)は「たくさんの人がいて、ちょっと恥ずかしかった。緊張した」と太夫道中を振り返った。