京エコロジーセンター(京都市伏見区深草池のノ内町)は現在、「タンポポ調査・西日本2015」への参加を呼び掛けている。主催は大阪自然環境保全協会(大阪市北区)。
1975(昭和50)年から同協会の前身が始めた市民調査は、5年ごとに行われている。2005年から近畿、2010年からは四国・九州にも拡大し、前年の予備調査も行うようになった。今年は2府17県が対象。
開始当時は、在来種と外来種の分布が調査された。外来種のタンポポは都市部の環境を好むことから、街の都市化の指標にもされていた。その後、1980(昭和55)年に森田龍義教授の実験で外来種と在来種の交配が可能であることが分かり、雑種の分布も調査されるようになった。
また、調査は花の外側に見られる緑色の部分「総苞外片(そうほうがいへん)」で判断していたが、在来種のような特徴を持つ雑種も確認されていることから、2000年からの調査では研究機関に依頼して花粉のDNAを調べている。
調査への参加は、対象となる地域でタンポポの花と、可能であれば同じ株の種子(痩果・そうか)を採集。花はティッシュと紙で包み、種子はテープに張り付け、採集地点の座標または住所を記載したフォーマットを添えて、各地域の担当する団体に郵送する。座標の求め方は同ホームページで確認できる。
「タンポポ調査は市民調査の先駆けの活動。最近では全国から問い合わせも届くようになった。足元の自然に目を向けることで、環境の変化や自然の大切さを感じ取ってもらいたい」と同協会事務局担当者は参加を呼び掛ける。
調査期間は5月31日、受け付けは6月10日まで。