京都ジョブパーク(京都市南区、TEL 075-682-8915)は
2016年卒の就職活動が「解禁」となる3月1日、学生の保護者向け就活勉強会を開催した。
労働局出身で、就活の支援を行う「キャリアラボ」の西座由紀さんは、現在の就職活動は、ウェブ上で大量エントリーができ、志望企業ごとに、業界や会社について知らないと書けないES(エントリーシート)を作成するなど、負担が大きいと話す。また、西座さんが接した学生が、「遅刻をしない」、「マニュアル通りに物事をこなす」など、社会人として当然のことを自己PRで話していると指摘。「自分で考えて行動する力が弱い学生が多い。目標を高く設定し、目標のために工夫できる人を企業は求めていることを知って」と呼び掛けた。
また、「就活は学生本人が行うもの」と強調。「企業説明会に代理で出席する親もいるが、本人のためにならない。絶対にしないように」と繰り返した。また、「そんな会社聞いたこと無い、公務員になればいいのに」と親の価値観を押し付けることも、子どもにとって重たく響く。気になるのであれば「私はこう思うがあなたはどう」などと聞き方に注意するようアドバイス。反対に、「(私は分からないから)好きにしなさい」と突き放されるのも子どもにとって寂しくつらいことだと付け加えた。
では、親はどのような支援ができるのか。就活中は、アルバイトに入りづらくなるが、写真やスーツ、交通費などの出費がかさむことから、「経済的な支援はやってほしい」と西座さん。また、「視野を広げるアドバイスも重要」とも。「学生同士で活動すると、『週休2日なければブラック企業』だと思い込むなど、極端な視点で企業を判断しがち。何が行き過ぎなのか教えてやることで、社会人としての視点が持てるようになる」という。
最後に、「家庭は子どもにとってシェルターであってほしい」と強調。「大量エントリーが可能になったことで、企業から落とされることも格段に増えた。子どもは自己否定されたような気持ちを何度も味わうことになる。『大変だね』と声を掛けてあげて、ほっと愚痴が吐ける場所にしてほしい」と締めくくった。