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京博に世界初の「10Kプロジェクションマッピング」-「風神雷神図」モチーフに

「21世紀の風神・雷神伝説」の一場面

「21世紀の風神・雷神伝説」の一場面

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 京都国立博物館(東山区)で1月14日、琳派をテーマにしたプロジェクションマッピング企画が発表された。主催は元京都大学総長の長尾真さんが委員長を務める「琳派400年記念プロジェクションマッピング委員会」。

制作陣に共催となる京都府から山田知事も登壇した

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 2015年は、本阿弥光悦が、京都洛北鷹峯に「光悦村」を開いてから400年の年。「琳派400年」の関連イベントとして同館の壁面に、3月12~15日の間プロジェクションマッピング「21世紀の風神・雷神伝説」を投影する。

 映像は25分で、世界初となる10K作品。俵屋宗達が描き、尾形光琳、酒井抱一らがこぞって挑んだ「風神雷神図」をモチーフに、京都大学学術情報メディアセンター教授の土佐尚子さんが制作を行っている。

 作品は、「太宰府に流された菅原道真の恨みと出会った風神と雷神が、その願いを聞き届け、京都に災いをもたらそうと琳派400年に沸く京都に向かう――」というストーリー。雷神が地上に落下してしまい、地上で治療を受けて天に帰る狂言「神鳴(かみなり)」を茂山逸平さんが演じたほか、未生流笹岡の花を用いて「未来琳派」を表現した。同家元の笹岡隆甫さんは「生け花は『朽ちの美』。花が枯れ、土にかえり、そこから新たな命が芽吹く命の循環を見ていただけるのでは」と話す。

 「琳派は『たらし込み』と呼ばれる技法を編み出したが、絵の具やオイル、ビーズや花などに振動させた様子をハイスピードカメラで撮影することで、現代の技術で、身近な生活の中に琳派の世界を作り出した」と土佐さん。「琳派の作品紹介にとどまらず、将来の創造につなげていきたい」と長尾さんは期待を込める。

 イベント後は、世界ツアーも行うといい、ミラノ万博のジャパンデー(7月半ば)や、シンガポールの国営劇場で上映する予定という。

 上映時間は18時30分~20時30分(休憩をはさみ3回上映)。入場無料。要事前申し込み。

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