京都市内各所を会場に現在、京都国際舞台芸術祭「KYOTO EXPERIMENT」が展開されている。
今年で5回目となる同イベント。京都の持つ場所の可能性を世界に向けて発信する、パフォーマンスアートの「実験」として始まった。今回は公式プログラムとしては国内外から11組が参加する。
京都芸術センター(下京区)では、京都在住の金氏徹平さんの新作「四角い液体、メタリックなメモリー」を展示する。近年は、舞台作品の美術を手がける金氏さん。展示では、日本の美術に大きな影響をもたらした京都発の日本画の一流派「琳派」との「結着点を探る試み」にも取り組んだ。同作品は、来年に予定されている「琳派400年記念祭事業」の関連企画でもある。
同センター「北ギャラリー」には、舞台セットに巨大なスクリーントーンが貼り付けられた作品のシリーズが並ぶ。展示照明には高田政義(RYO)さんが手がけた。照明は、赤や緑のカラフルなライトを使って盛り上げたかと思うと、フェードアウトして暗くなり、白熱灯の明かりがチラチラと不安定にゆらめくという演出がされている。期間内には、金氏さんが選んだ俳優や美術家、音楽家らとのイベントも行われる。
会期中は、歌舞伎の演目を元にした演劇を作る「木ノ下歌舞伎」による作品や、西京極スタジアムを舞台にした「contact Gonzo」による作品、アルゼンチンを拠点とする振付師、ルイス・ガレーさんの作品も上演を予定する。
昨年同様、ギャラリーやブックショップなどの要素を持つカフェやレストランを「ミーティングポイント」として設定。アーティストと観客のコミュニケーションの場とするほか、限定メニューや、チケットの半券を持参すると特典が受けられる店舗もある。
会期は今月19日まで。開催時間とチケット料金は会場ごとに異なる。