京都伝統産業ふれあい館(京都市左京区岡崎成勝寺町、TEL 075-762-2670)で現在、「現代に生きる金属工芸美展」が開かれている。主催は、45歳までの若手職人で成る「若手京都金属工芸協同組合青年会」。
金属工芸は奈良時代(8世紀)に大陸から伝えられ、平安遷都(794年)の際、京都にもたらされた。その後仏像や釣り鐘などの宗教用具から、生活用品、武具の飾りなどさまざまな用途に広がった。
金属工芸で用いる原材料は主に金・銀・銅・スズ・鉄など。技法には、表面に模様を彫る彫金、溶かした金属を鋳型に流し込んで形を作る鋳金、槌(つち)などで打ち延べて形を作る鍛金、鉄の表面に細かい切れ目を入れ金銀などを打ち込む布目象眼、金属表面にガラス質のエナメル(うわぐすり)を載せて焼き、彩色を施す七宝などがある。
底に装飾を施したスズ製の杯や仏前に供えるための四具足(しぐそく)など、青年会の作品や京都市所蔵の作品を中心に約40点を展示する。同会の小林達也さんは「仏具や茶道具、ジュエリーなど、さまざまな分野を扱う職人が集まっているので、いろいろな作品を楽しむことができる」と話す。
近年は、仏具の機械化が進んでいることや、熟練の職人の占める割合が高いことから、若手職人が活躍できる場が少ないという。「技術の腕を磨くため、かんざしなどの新作を作って訓練している職人もいる」と小林さん。「若手なので熟練の職人には及ばないかもしれないが、発展の途中経過を見てもらえたら」とも。
3月には京セラ美術館(伏見区)で新しい素材「ファインセラミックス」と「京都オパール」を使った金属工芸の作品展を開く予定。
開催時間は9時~17時(入館は16時30分まで)。入場無料。2月3日まで。