福寿園、京大・同志社大とともに粉末茶の新製造法を開発

福寿園が京都大学・同志社大学と粉末茶の新製造法を共同開発した(写真=ボールミル内部)

福寿園が京都大学・同志社大学と粉末茶の新製造法を共同開発した(写真=ボールミル内部)

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 日本茶の製造・販売を行う福寿園(木津川市山城町)は、京都大学工学部化学研究所先端ビームナノ化学センターと同志社大学工学部電子工学科とともに「粉末茶」の新製造法を開発した。同社は1790年創業の老舗で、サントリーとのコラボレーション商品「伊右衛門」でも知られる。

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 今回の開発は、京都の地場産業に大学の「シーズ(新技術・サービスなど)」を活用することを目的とした産学官の「京都府地域結集型共同研究事業」の一環として、京都大学と同志社大学が提案し、2004年から研究が始まった。

 研究されたのは茶葉の「粉砕法」と「分級法」。従来の粉砕法は「圧縮粉砕」の「振動ボールミル法」だが、今回開発された、やわらかい合成樹脂をボールに用いた「遊星ボールミル法」を使用することにより茶葉・茎を摩擦粉砕し、「50度以下での粉砕が可能になり、緑茶が持つ甘み、香り、色が失われにくいという特徴がある。装置の洗浄も容易になり、衛生面も優れている。」(同社)という。粉砕した茶葉を大きさで分ける分級装置も開発され、「異なる細かさの『粉末茶』をブレンドすることによって好みのものを作ることができる」(同社)。

 「粉末茶」は、粉砕した茶葉の総称で「抹茶」も広義の意味で「粉末茶」になる。「粉末茶」の市場は、5年間で50パーセント増加しており、同社は「茶殻」の問題などからも「粉末茶」の需要は増加すると予想するほか、海外での市場拡大も見込んでいる。今後は、「量産化と商品開発を検討している」(同社)という。

福寿園

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