京都国際工芸センター(京都市中京区高倉通三条下ル、TEL 075-223-5353)は3月から、「にっぽん検定」を実施している。
同検定は、礼儀作法やビジネスマナー、日本の伝統的な作法など、「社会人としての常識」から「日本人としての常識」まで幅広く取り扱う。「日本の良いものを未来につないでいきたい」との思いで、同センター理事長の黒竹節人さんが企画した。
1回目は3月13日に同センターで開催され、約60人が受験した。今後は、依頼のあった日に会社や学校に出向き、場所や日程を受験者が指定できる体制をとる。「このような検定は珍しく、気軽に受けていただけるのでは」と同センターのコーディネーターを務める藤田幸子さん。
ターゲットは、これから社会に出る学生や新入社員ら。「日本の伝統的な作法を知る若者は少ない。マナーがしっかり身についていれば、就職活動や人とのつながりで大きく差が出る」と藤田さん。しかしながら、「すでに長い社会人生活を経験している人でも、間違った常識を覚えてしまっているケースもあるので、老若男女問わず、日本の心を取り戻すきっかけになれば」とも。
同センターは設立して約30年、京都の伝統的な工芸品を取り扱い、発信できる基地として活動している。藤田さんは「日本の素晴らしい伝統を、伝統文化が色濃く残る京都に住んでいるわたしたちから全国に向けて発信していければ」と意気込みをみせる。
検定料は6,300円。試験時間は2時間。70点以上を合格とする。同検定以外に「わざ検定」も実施している。「わざ検定」は、伝統的な「業・芸・伎」をテーマに、京の文化や着物、華道や茶道など、さまざまな文化にまつわる科目が選択制になっており、得意分野や興味のある分野を受験することができる。