使われなくなった建具を内装に再活用した居酒屋「戸張屋 京都駅前店」(京都市下京区塩小路通西洞院北西角、TEL 075-352-8680)が3月2日、オープンした。運営は京都市内に飲食業を展開する「エムジーフーズ」(上京区)、設計・施工は「ファムス」。
同店は、2月にオープンした木屋町店に続き2店舗目。おでんや串かつがメーンの居酒屋で1階~3階の3フロア展開。席数は1・2階=55席、3階=20席、店舗面積は約200平方メートル。店舗のイメージプラニングはユニバーサル・マーケティング・デザイン(下京区)が手がけた。
1階・2階は、今は使われずに眠っていた建具を再活用した内装でまとめた。町家で使われてきた50~60年前の「ほんまもん」の木の温もりを生かした居酒屋スタイルとなっている。戸張などの昔の建具を壁面に配しているため、店名を「戸張屋」と名付けた。同社の谷雅徳社長は「元は事務所だった場所に、ずっと長く使われてきた『ほんまもん』の建具をあしらった。お客さまがおいしく食べて、1日の疲れを癒やしていただければ」と話す。
対照的にシックな雰囲気でまとめた3階は黒を基調とした内装で、カウンターと赤の重厚なソファを配したバーになっている。のれんの屋号をはじめ、店内2階の直径約2メートルの大きなあんどんの文字は「書動家」俵越山さんによるもの。
おでんメニューは「こんにゃく」「ちくわ」「九条ねぎ」「万願寺ししとう」「海老芋」「湯葉」「クジラのハリハリ」など40種類以上(120円~)、串かつメニューは、「たまねぎ」「なす」「バナナ」「生麩」など20種類上(120円~)を提供する。
「一時期、一世を風靡して、今はもう忘れ去ろうとされている木材や板に、もう一度活躍の場所を与えたい。もうだめかなと思った越前屋俵太時代の自分とかぶる。すごくチープな感じだとしても、もしそれが『ほんまもん』だったら、お金をかけるだけかけてきれいに輝いて見えるデザインよりも僕は好きかもしれない」と谷社長。
営業時間は、1・2階が昼=11時30分~14時。夜=17時~23時00分(3階は夜17時~25時、日曜・祝日休)。