日本ユネスコ協会連盟(東京都渋谷区)が12月1日に登録を決定した第1回「プロジェクト未来遺産」に、京都府の「葵プロジェクト」が選ばれた。
「プロジェクト未来遺産」は、地域の文化や自然遺産を未来へと守り伝える活動を公募し、審査のうえで登録、それを推進する団体と地域を日本全体で応援していくことを目的とした事業。第1回目となる今回、全国32都道府県から50プロジェクトの応募があり、「未来遺産委員会」による書類審査と一部現地調査などを経て、プロジェクト10件の登録が決定した。
選考の基準は「地域の文化や自然を守り、継承し、まちづくりに生かしていること」「地域を再発見し、人々がわくわくするような楽しい活動であること」など。「葵プロジェクト」は、環境変化により京都三大祭りの一つである「葵祭」に必要な葵の自生地が激減していることを受け、一般市民や学校に「二葉葵」を育成する協力を求め、自然と文化のつながりについての意識啓発を図りながら「葵祭」を次世代へ継承する活動を行っている。同連盟の担当者・寺尾明人さんは「身近な自然に目を向けて、環境問題について考えるのにとても良い活動」と話す。
今回選ばれたプロジェクトはほかに、「久保川イーハトーブ世界自然再生事業」(岩手県)、「神楽坂をますます粋に~『粋益(いきまし)』プロジェクト」(東京都)、「いきもの不思議の国・中池見湿地」(福井県)、「日本の記憶が息づく島OKIを守り伝えるプロジェクト」(島根県)など。