稲盛財団(京都市下京区烏丸通四条下ル)は6月19日、第25回目となる「京都賞」の受賞者発表記者会見を行った。
京都賞は、「科学や文明の発展、また人類の精神的深化・高揚に著しく貢献した方々の功績をたたえる国際賞」(同財団)。1985(昭和60)年に設立され、「先端技術部門」「基礎科学部門」「思想・芸術部門」の3分野で受賞者を決定する。25回目となる今年度の受賞者は次の通り。
先端技術部門(授賞対象分野=エレクトロニクス)=「窒化ガリウムpn接合の先駆的実現による青色発光素子発展への貢献」により半導体科学者の赤﨑勇博士(名古屋大学特別教授、名城大学教授)。
基礎科学部門(授賞対象分野=生物科学)=「環境変化に応じた自然淘汰による急速な進化の実証」により進化生物学者のピーター・レイモンド・グラント博士、バーバラ・ローズマリー・グラント博士(いずれもプリンストン大学名誉教授)。
思想・芸術部門(授賞対象分野=音楽)=「作曲・指揮・著述・組織運営を通して時代をけん引し続けてきた音楽家」により作曲家・指揮者のピエール・ブーレーズ氏(IRCAM名誉所長)。
京都大学「稲盛財団記念館」(左京区川端荒神橋)で開かれた会見では、業績に関するパネル展示や映像で受賞者のコメントが紹介された。「このような立派な賞の理念に適うものかどうかわかりませんが、身に余る光栄」(赤﨑博士)、「驚きました!そのひとことしか思いつきません。とても光栄」(ピーター博士)、「これまでの京都賞受賞者の思うと、このような立派な方々の中に加えていただくことは本当にありがたい」(ローズマリー博士)、「独創的な観点から受賞者を選んでいる京都賞を授かることはとてもうれしく思う。その独創性とは異なる背景を持つ文化同士を分断するのではなく、統合する視点をもっている点。また、京都賞が音楽を思想の隣人として取り扱っていることに最大の敬意を表したい」(ブーレーズ氏)と、それぞれ喜びのコメントを寄せた。
授賞式は11月10日、京都国際会館(左京区宝ヶ池)で行われる。