京都・清水寺近くの書店「京都極楽堂書店」(京都市東山区五条橋東、TEL 075-561-1666)は3月から、オリジナル商品「毒まんじゅう」(2個入り、300円)の販売を始めた。
同店は、「ザ・ジャパン」をテーマに昨年夏にオープン。京都造形芸術大学の芸術表現・アートプロデュース学科に在籍する月澤信貴さんが店主を務める。極彩色の店内に、日本美術や文化に関する新刊や古書をはじめ、「キッチュでポップなテイスト」の書籍やグッズをそろえる。2階には同店が運営する「蜷川実花写真館」があり、写真家・蜷川実花さんの未発表作品を中心に年数回の企画展を開催している。
同店では、日本に根付く文化を再認識・発信するため、京都の老舗ブランドと連携し「リメーク」を試みることで、主に若い世代をターゲットとする商品開発にも取り組んでおり、同商品はその第1弾となる。
商品名の「毒」は「正義の毒」(月澤さん)。仏教の世界では「ねたむ」「怒る」「愚痴る」の3つの煩悩を「三毒(さんどく)」と呼び、これらを克服するために修行に励むという。自身も僧侶の修行を行っている月澤さんは「『毒まんじゅう』を食べることで、自分の中にある毒と向き合うきっかけになれば」と話す。
フードコーディネーター・冷水希三子さんをコーディネーターに迎え、老舗菓舗「金谷正廣」(上京区)との共同開発で企画から完成まで半年を費やした同商品。添加物は使用せず、白餡にクルミやイチジクのラム酒漬けを練り込んだ洋菓子風のまんじゅうに仕上げた。「味のバランスを整えるのが難しかった」と月澤さん。
販売開始から約1カ月が経ち「売れ行きは好調」(月澤さん)。「かわいい」「おもしろい」と、若い世代から年配まで幅広い層が購入していくという。月澤さんは「今後も『リメーク』をテーマに、ただパッケージを変えるということではなく、その商品で何かを得られるようなものを作っていきたい」と話す。
営業時間は13時~19時。水曜・木曜定休。