アンティークきものや(京都市中京区六角通室町西入)で3月13日から、バンタンデザイン研究所家具デザイン学科の生徒と講師の作品展「3+2EXHIBITION」が開催されている。
開催のきっかけは、古着物の買い取り・販売を手掛ける「アンティークきものや」の主人からの、「使わなくなり販売も難しい着物を使って京都を感じさせる家具をデザインしてほしい」という依頼から始まった。同展には、昭和初期から中期にかけて多く生産されていたというウール製の着物に使われている生地の耐久性や柄を活用した。
「着物は、その生地にさまざまな歴史や文化を蓄積した一つの記憶装置のようなもの。それをテーマに、着物の『生地』に着目し、生地を素材とした日常生活に組み込む新たなデザインができないか試みた」と建築の設計から家具のデザインを手掛ける「GENETO」の山中コ~ジさん。
同展は、学生3人と同研究所非常勤講師で家具デザイナーとして北欧でも作品展を開いている「kram design」の酒井礼子さん、山中さんらが共同で着物を使った家具をデザイン。
「生地と現代のデザインを組み合わせることにより、作者にとっての現代を形状や思考として留める。今回の作品は、それぞれが『現代の記憶装置』となった」と山中さん。「日の目を見なくなってしまったものに再び命が宿った。作家の成長のきっかけにもなれば」とアンティークきものや代表の坂梨大雄さん。
開催時間は11時~18時。今月19日まで。