岡崎にある「みやこめっせ」(京都市左京区)で9月17日、「京都国際マンガアニメフェア」のビジネスツアーが行われた。
同フェアは海外からの観光客の掘り起こしや、漫画やアニメに携わる人材育成、ビジネスチャンスを作るといった目的で行われる同イベント。今年は過去最多となる63企業・団体が出展するほか、声優や作品の原作者らによるステージ企画が行われる。東京に集中するマンガ雑誌の編集者らを招いて行う「漫画出張編集部」なども設けられる。
初開催となるビジネスツアーでは、マンガやアニメのコンテンツの商品化に興味のある企業担当者らが参加。京都市の担当者からイベントの説明を受けた後、イベントの各会場を視察。最後に、商品化までのプロセスについて説明を受け、実際にコンテンツを持つ版元や、商品化を行った企業担当者から事例の紹介が行われた。
「京の黒染屋」のブランドでコラボグッズや体験ブースを展開する馬場染工業(中京区)の馬場麻紀さんは「カラーのキャラクターを黒と白で表現する難しさはあるが、継続して参加していると認知も上がり、版元から声が掛かるなど、売り上げ以外の面でもメリットを感じている」と話す。
食品を中心に扱うグラン・ブルー(左京区)の代表の石井雄一郎さんは「商品化の前には必ずアニメや漫画を読んで商品づくりに生かすようにしている。イベント以外に販路が無いと在庫リスクもあるので慎重さも必要」と参加者にアドバイスした。
KADOKAWA(東京都)は10月からアニメ化される「文豪スレイドッグス」に合わせて「加藤萬」(中京区)とのコラボで手ぬぐいを開発。同商品を担当した堀口鉄太郎さんは「今後は海外への発信も考えているため、日本だけで流行しているラバーストラップといったグッズでは限界があると感じる。伝統工芸とのコラボといった商品が海外展開の足がかりになるのではないか」と伝統工芸とのコラボの意義を強調した。
参加者は、熱気あふれる会場の様子や商品化の注意点などについて熱心にメモを取るなどしていた。