毎年5月15日に行われる京都三大祭の一つ「葵祭」と気象の関係を調べてみた。
京都三大祭の一つとされ、歴史のある「葵祭」。賀茂御祖神社(下鴨神社)と賀茂別雷神社(上賀茂神社)の例祭で、江戸時代までは「賀茂祭」と呼ばれていたという。毎年未婚の女性が務める「斎王代」や、平安時代の装束をまとった行列には多くの人が集まる。
雨天の場合は翌日16日に巡行が行われる。開催の判断は当日の朝6時を目安に発表。16日も雨天の場合は「中止」となる。天候が変わり、下鴨神社から上賀茂神社までの巡行を取りやめることもある。葵祭が近づくと、見に行くかどうかは別に「今年の天気はどうなるんやろ」と話題になるのを経験している京都の人は少なくない。そこで、1995~2014年の20年分の降水量と天気概要を気象庁が公表している過去のデータを使って調べた。
1995年は昼の降水量(6~18時)が56ミリという「大雨」。翌日も催行できず戦後初となる「中止」の事態に。その2年後の1997年には23.5ミリの雨で順延。2000年代は4回(2000年、2002~2004年)巡行が下鴨神社で打ち切られ、2012年は15年ぶりの順延となった。昨年も雨が降っていたので順延かと心配されたが、傘を差して巡行が行われた。
中止や順延、巡行が打ち切りになったのは6回。1ミリ以上の雨が降ったのは8回という結果が出た。京都気象台によると、この結果では雨が多いとも少ないとも判断できないが、春の空から夏に変わる途中ということもあり、不安定な時期ではあるという。
曇り空のようにすっきりしない結果になってしまったが、行列を見物する人も、神事を執り行う関係者も、天の道行きを見守るしかないのは今も昔も変わらないようだ。