ものづくりベンチャー企業「YOKOITO」(ヨコイト・京都市下京区朱雀正会町)が8月17日、自分で描いた絵やデザインをスタンプにするオンラインサービス「printedSTAMP」を始めた。
3Dプリンターを使ったものづくり支援や、オリジナル商品の開発を行う同社。スタンプ制作のきっかけは、イベントを行ったコワーキングスペース「oinai karasuma」でのノベルティ制作。同社の髙松一理さんは、同スペースのロゴを3Dプリンターで作っている中でスタンプのアイデアがひらめいたという。その後、さまざまなサイズや形の試作を始めた。生産効率の観点から、持ち手をあらかじめ制作しておき、厚さ約1.5ミリのスタンプのデザイン部分を後から取り付ける手法にたどり着いた。この方法だとスタンプの面のプリント自体が10~15分で完了するため、その場でできたスタンプを渡すこともできる。
東京ビックサイトで行われたイベントでも、来場者がその場で描いたイラストをスタンプにするサービスを実施。用意していた持ち手部分が足りず、追加が必要になるほど好評を得たほか、名刺用のハンコなどの依頼も寄せられた。「3Dプリンターを初めて見る人にとっても、自分の絵(=2D)がその場でスタンプ(=3D)というわかりやすい形になることで、興味を持ってもらえるのがよかったようだ」と同社の中島佑太郎さん。
オンラインサービスは、申し込みページからデータもしくは手書きの絵を同社に送ると、2~4日でそのイラストのスタンプが届く。直径4センチの円で780円。縦4センチ×横6センチの長方形は2,160円。このサイズ以外の制作依頼にも対応する。
使用している3Dプリンターや耐久性の問題から細い線が出せないなどの課題もあるという。今後は、そうした課題を解決しながら、イラストからスタンプを作るまでのワークショップや、30センチ四方の大きなスタンプ制作にも取り組む予定。「芸大生の卒業制作などで、イラストキャラクターを用いたスタンプをその場で作れるようにするなど活用できる場面は多いのではないか」と高松さんは期待を込める。