五条堀川のギャラリー「ANTENNA」（京都市下京区五条堀川東入ル中金仏町、TEL 075-353-6788）で現在、ムラカミマイさんの個展「タルキスバラ」が行われている。

　空想上の生き物や、昆虫をモチーフにした作品を発表しているムラカミさん。最新作の「サルチクワイト」をはじめとした点描のイラスト作品や間接球体人形などを展示する。

　「アリなど、昆虫をじっと見つめていることが昔から多かった」と話すムラカミさん。デザイナーとして働いていた時にカレンダー用のイラストを仕上げたことをきっかけに、イラストに本格的に取り組むようになったという。画材はGペンや丸ペンにカリグラフィー用のインクを使い、細かな線や点で濃淡を表現する。

　「サルチクワイト」は幅1メートルの大作。「ここまで大きな作品を手掛けたのは初めて」だという。所属している画廊から、大きな会場での展示会のために大きな作品を制作するように依頼があり、完成までに半年、インクを4本使って完成させた。「建築物を描きたくてスタートした作品」とムラカミさん。下絵の時点で最初と後に描いたトーンにばらつきがあって没にしたため、全体のバランスを取ることを考えさせられたという。

　タイトルは、「描かれている絵の世界に行った人の話によると、彼らは『サルチクワイト』という音を発していたような気がする」という曖昧な理由で名付けた。「『何だろう？』と、見る人に妄想を膨らませてもらえたら」とムラカミさん。

　開催時間は13時～19時。月曜～水曜休廊。7月13日まで。