因幡薬師(京都市下京区烏丸通松原上る因幡堂町)で7月16日、山鉾(やまほこ)巡行の好天を願う「日和神楽」をお迎えするイベントが行われた。主催は7つの旧学区の有志で作る松原通活性化プロジェクト委員会。
同会はこれまで、「かつての大路通」松原通の講演会を開いたり、松原通りを「洛中洛外図」をモチーフにしたパンフレット「松原今昔夢物語之図」を制作したりしてきた。好天を祈るために、山鉾を出す町衆が、ちょうちんをつるした山車で、はやし方がはやしを奏しながら会所から四条寺町の御旅所まで歩く中で、松原通を通ってほしいと山鉾町に呼び掛けてきた。
数年前から函谷(かんこ)鉾や岩戸山、船鉾が松原通を通る。うち岩戸山と船鉾が因幡薬師前を通る。同会は、日和神楽をお迎えするためのオリジナルちょうちん作りを実施。洛央小学校の4年生児童ら90人が作った鉾の形をした「ちょうちん」を因幡薬師の門前に並べ、LEDライトを点灯した。
当日、境内には舞台がしつらえられ、茂山千五郎家の井口竜也さんと山下守之さんによる狂言「因幡堂」が演じられたほか、狂言ワークショップも行われた。ワークショップでは、小学生から大人までが狂言の「型」を習い、笑いと泣きの演技を実践。そのうちに会場全体が「はーはははははは」と大きな笑い声で包まれた。