四条烏丸にある「京都シネマ」(京都市下京区烏丸通四条下る水銀屋町、TEL 075-353-4723)が6月22日、新デジタル規格による映画の上映を始める。
導入するのはDCP(デジタルシネマパッケージ)と呼ばれる方式。上映のための映像や音楽、字幕などの素材がパッケージとして圧縮・暗号化され、映画館は専用の映写機やサーバーの導入が必要となる。大手のシネコンなどでは導入されているが、いわゆる「単館系」では対応機材の購入にコストがかかることから、これを機に廃業する館も増えるとも言われている。
同館ではこれまで35ミリフィルムとブルーレイでの上映を行ってきた。2009年ごろから導入を検討始めたが、今年に入り状況が一変。従来の規格による配給タイトルが激減したことから、予定より大幅に前倒しでの導入となった。今回導入したのは3つのシアターのうちの1つ。残りの2つについても順次設置する予定だという。
同館支配人の横地由起子さんは「映画が映画館で見られる環境を維持することが重要」と強調する。「京都はまだ映画館が残っているが、街に一つも映画館が無いという話も珍しくない。『他のメディアで見られる』と思っていると権利関係などで見られないことも多く、映画館では生の舞台のようなライブ感がある。スタッフも心に残る作品に出合ってほしい、すてきな時間を過ごしてもらいたいと頑張っている。ぜひお越しいただければ」と来館を呼び掛ける。