壬生にある根付け専門の美術館「京都 清宗根付館」(京都市中京区壬生賀陽御所町、TEL 075-802-7000)で4月1日、春の特別展示「飛躍」展が始まった。
「根付け」とは、帯から印籠やたばこ入れを提げた時に留め具として使われた小さな彫刻。鹿角や江戸時代後期に「粋」として趣向を凝らしたものが制作され、「ジャポニズム」の広がりとともに海外にも輸出され、現在でも海外のコレクターが多い。着物が常のものではなくなった今でも、根付けを制作する作家が国内外で活動しており、同館ではそうした作家の支援の一端も担っている。
今回の特集展示では「飛躍」をテーマにした作品約40点を並べる。桜井英之さんの「群花」は、小さな花が集まっており表から見ると「飛」、裏から見ると「躍」の文字を作る精巧な作品。宍戸濤雲さんのハムスターの回し車に東海道五十三次の宿場町を彫り、ハムスターの飛脚が走っている楽しい作品。「飛脚道中」は、飛躍途中をかけて名付けられたという。
「春は新しいことに挑戦したくなる時期。根付作家もこれを機にこれまで扱わなかったモチーフを選んだりするなど意欲作が並ぶので、ぜひ足を運んでいただければ」と同館広報担当者。
春季の開館期間は4月1日~30日。開館時間は10時~17時(最終入館は16時30分まで)。入館料は一般1,000円ほか。