京都市が進める無線LANスポットを市内に整備する「京都どこでもインターネット」KYOTO WiFiの(キョウトワイファイ)事業が本格化している。
同事業は、京都を訪れる観光客、特に日本国内での通信料金が高額になってしまう海外からの旅行者からの要望をはじめ、観光庁の調査で海外からの観光客の旅行中に困ったことの第1位に「無料のLAN環境が整っていないこと」が挙げられることから導入を決めた。
通電タイプのバス停や地下鉄駅のほか、京都市の観光案内所や二条城、観光駐車場や公共施設を中心に630カ所に設備を整える予定をしている。8月20日以降に、まず、京都駅北側のバスターミナルなど24カ所での設置を予定する。本年度中に500カ所での設置を完了する予定。
今回、公募で選ばれた、KDDIと、インフィニティ(中京区)の2社が機器の設置・運用を行い、京都市は場所の提供や、広報を担当する。予算編成当初、一定時間経過後は有料にする計画をしていたが、事業者からの提案を受け無料となったという。
利用方法は、指定のアドレスに空メールを送り、端末からアクセスポイント名の電波を選択。返送された利用パスワードを入力することで、3時間接続することができる。(観光案内所などの施設は、開所時間内は利用できる)。場所はステッカーで知らせ、ステッカーから半径20メートルから30メートルの範囲通信が可能。災害時には、手続きを不要にして時間制限なしでインターネットに接続できるようにして、安否確認などで有効に使えるようにするという。
「自治体がこれだけの規模で、無料でサービスを提供することは初めて。他の自治体からの問い合わせもあった」と京都市産業観光局観光MICE推進室の吉田覚さん。市民からも「いつから利用できるのか」などの声が寄せられたという。「事業者にも反響があったと聞いている。官民協働の一つのモデルケースになるのでは」とも。