京都御苑(京都市上京区)で10月23日、キノコを観察するツアーが行われた。
京都を住民が歩いて案内するツアー「まいまい京都」の企画。案内は「きのこライター」の堀博美さん。堀さんがキノコ探しのコツや生態を紹介しながら約2時間のコースを歩いた。
「今年の京都のキノコは不作」といわれているが前日に雨が降ったこともあり、「ホコリタケ」「ツルタケ」「ヒダタケ」「アミタケ」など十数種類のキノコが見られた。中には「ニオイコベニタケ」というカブトムシのにおいのする種や「カニノツメ」「サンコタケ」「ムラサキナギナタタケ」などカサがない形のキノコも。
キノコが輪を描くように生える「菌輪」が見つかると、世界各地で「フェアリーリング」「魔女の輪」などと呼ばれていることなどキノコの逸話を堀さんが披露。参加者は「キノコ目線」でベストショットを狙いながらキノコとの出合いを楽しんだ。
「キノコのかわいらしい姿は私たちを幸せにしてくれるし、そんな存在がひそかにいるということも、とても幸せなこと。ぜひたくさんの人にキノコ好きになってもらえたら」と堀さん。「キノコは、動物の死骸を土に返す役割を果たす菌類の仲間。キノコをめでることは森をめでることにつながる」とも。参加者の一人は「キノコは食べられる種類しか知らなかったが、たくさんの種類が身近に生えていて面白かった」とキノコの魅力に取りつかれたようだった。